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Winny 天才プログラマー金子勇との7年半

著者 壇 俊光 

発売 2020年4月24日


現在公開中の映画 『Winny』の原作本(小説)です。

著者のブログを元にまとめたものです。

また著者は『Winny事件』の弁護団の事務局長を務めました。




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『Winny事件』を覚えていますか?

2002年
『Winny』とはPeer to Peer(P2P)技術を応用したファイル共有ソフトュアで・・・
当時、掲示板サイト『2ちゃんねる』のダウンロードソフト板(いた)にて
47氏(金子勇氏)が無料で公開していました。

2004年
『Winny』に暴露ウィルスAntinny(アンティニー)が仕込まれ
全ファイルをネット上に公開される被害が続出しました。
それは公共機関でも被害が相次ぎ情報が漏えいしました。

そんな中『Winny』の開発者である金子勇氏が2004年5月10日
著作権法違反幇助の疑いで京都府警サイバー対策課に逮捕されました。

※任意同行からの逮捕

著書では全て実名で逮捕の経緯などが描かれています。


2011年12月20日
最高裁が検察側の上告を棄却
無罪判決が確定

※高裁でも無罪判決、検察が控訴

著書では7年半もの裁判の年月が克明に描かれています。




□ 目次


プロローグ

第1章 捜査弁護
第2章 起訴から公判まで
第3章 1審弁護―前哨戦
第4章 1審弁護―警察証人尋問
第5章 1審弁護―技術立証
第6章 1審弁護―被告人質問
第7章  地裁判決
第8章  控訴審
第9章  高裁判決
第10章  最高裁決定

エピローグ

付録 Winnyをより深く知るための基礎知識


◇◇◇
◇◇◇

著者である壇 俊光 弁護士は当時・・・
例えば高速道路でスピード違反をしたドライバーの罪は
高速道路を作った人の責任なのか?とこの事件を例えていたそうです。

金子勇氏は任意同行後
逮捕⇒拘置所⇒保釈⇒京都市内のホテルでの暮らしが続きました。

もしも逮捕後、保釈されてなければ
逮捕の期限である3日間に加え
裁判所が勾留を認めた最長20日間の

合計23日間は身柄が拘束されていたかもしれません。

著書では、日本の刑事司法の深い闇や問題点も浮き彫りにしています。


悪用されただけで開発したプログラマーが処罰される!
前代未聞だと感じた方も多かったと思います。

著作権侵害はあくまでも利用者のモラルの問題です。

『Winny』は中立なソフトで警察や検察の言いがかりとも思えます。


Twitterでは、強盗や特殊詐欺といった実行役を募る闇バイトの募集が横行しています。

Google傘下のYoutubeでは映画の一部が使われているファスト映画が垂れ流されています。

だけど、Twitter社やYoutubeの開発者は誰一人逮捕されていません。

海外では開発者に関しては違法性がないとの前例もあります。


金子勇氏は最高裁での無罪確定の2年後にお亡くなりになりました。
享年42歳でした。

逮捕から無罪確定の7年半の間、天才プログラマーからプログラミングを奪ってしまった警察

もしも、逮捕されなかったら日本のIT技術
こんなにも他国に遅れを取っていなかったのかもしれません。
大変悔やまれます。


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